保育士・幼稚園教諭等の賃上げ含む労働条件改善を求める

 衆院本会議で4月14日、政府提出「児童福祉法等改正案」と立憲民主党などが「対案」として提出した「保育士・幼稚園教諭等処遇改善法案」の趣旨説明・質疑が行われました。党対案の趣旨説明は岡本あき子衆院議員が行い、政府案・党対案への質疑は山田勝彦衆院議員が行いました。吉田はるみ衆院議員などが答弁しました。

       趣旨説明

 岡本議員は冒頭、「保育士の賃金は全産業平均と比べて月額約8万円も低く、この処遇の低さが、保育士不足に拍車をかけています」と厳しい現場の状況を指摘。そのため立憲民主党などは以前から、保育等従業者の賃金を引き上げるための法案を提出し、成立を求めてきたと訴えました。

 その上で岸田政権が、保育士・幼稚園教諭などを対象に、常勤換算で月額9千円引き上げる措置を本年2月から実施することを一定評価するとしたものの、支給金額や支給対象などに不十分な点があると指摘。保育士の家賃補助事業打ち切りの検討や減額する自治体もあり、「9千円上がっても、手取りが減少する保育士が増えてしまう」として、党対案を提案した理由を説明しました。

 党対案は、岸田政権による「単発の予算措置」ではなく、支給金額や支給対象を広げる内容です。

保育士・幼稚園教諭等処遇改善法案 趣旨説明(岡本あき子議員).pdf

山田勝彦衆院議員、政府法案・党対案について質問
吉田はるみ議員が答弁

 山田議員は、政府提出の「児童福祉法等改正案」と党対案について質問。被爆地である長崎で生まれ、原爆によって親戚を亡くしており、「国家の大きな役割は、戦争をしないことと国民を飢えさせないこと」だと冒頭、熱く訴えました。また、自身が発達障がいの子ども達の自立支援事業「放課後等デイサービス」を長崎県内の各地域で運営していることも踏まえ、「貧困や虐待など様々な事情を抱えた子どもを人権侵害から保護するため、子どもが意見を表明するための支援体制を整備しなければなりません」と述べました。

 そのためには、現場で働く人の処遇を改善し、人材を確保する必要があるとして山田議員は、「政府の処遇改善策ではコロナの影響の中で子ども達の命を預かっている責任や、他の産業の方々との平均年収の格差からしても、まだまだ不十分と言わざるを得ません」と指摘。党対案を提出した理由を、法案提出者である吉田はるみ衆院議員に質問しました。

吉田議員は、現場の男性保育士の声を紹介しながら、「もともと慢性的な人手不足に悩まされている中、コロナ禍が追い打ちをかけました。保育士さんに一人でも感染者、濃厚接触者が出た途端に、勤務シフトが崩れてしまう、まさに綱渡りの状況」だと指摘。その上で、「業務負担が重く、長時間労働、それに対して待遇が低い」という状況を変え、「子どもたちが大切に育てられるための絶対条件」として、現場で働く方々の処遇改善のために党対案を提出したと答弁しました。

アダルトビデオ出演強要問題

 また山田議員は、4月1日から民法改正により、成人年齢が18才に引き下げられたため、高校生AV出演の歯止めがなくなった問題について、児童福祉法の理念にも反するのではないかとして、野田聖子・男女共同参画担当大臣に質問しました。

 昨日13日、与党でもようやくPTが設置されたことを踏まえ野田大臣は、各党の「ご議論の状況、内容をよく見守りたい」と答弁しました。

政府提出法案・立憲対案代表質問(山田勝彦議員).pdf

 

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