ジェンダー平等推進本部の徳永エリ本部長代行と打越さく良事務局長は13日、一般社団法人日本若者協議会の大学生・高校生3人から「本気の痴漢対策を求めます!来学期から #NoMoreChikan 要望書」を受け取り、意見交換をおこないました。

 同協議会のジェンダー政策委員は、ジェンダー問題を解決するための活動の一環として、各種調査で性的犯罪、女性の犯罪被害の中で一番多く、「仕方ない」と言われてきた「痴漢」と本気で向き合って解決するために、ネット上での署名活動を展開するとともに、関係省庁、政党に具体策的な対策を要望しています。

 今回の要望は、メンバーの大学生の友人が盗撮被害に遭い、警察の対応を含め理不尽なことがあったことをきっかけに、ほかの人たちの経験も踏まえて要望書を取りまとめられたという経緯について説明がありました。痴漢にあうのは派手なかっこうをしている人と思われがちだが、実際には制服姿など地味な人の方が狙われていること、通学中に痴漢にあって遅刻しても学校では遅刻または欠席扱いになってしまうこと、教師に痴漢の相談をしたら不適切な発言が返ってきたことなど、具体的な課題を伺いました。

 要望の内容は、(1)痴漢事件の実態調査をおこなう(2)痴漢報告後のプロセスを見直す(3)ワンストップ支援センターの増設と告知をおこなう(4)痴漢事件の迷惑防止条例での取り締まりを見直す(5)性犯罪についての充実した教育をおこなう(6)学校での痴漢ルールを作成する(7)痴漢の加害者が早期に長期で再発防止プログラムを受けられるようにする(8)女性専用列車を増やす(9)省庁横断型の連絡協議会の設置(10)性被害を受けた時の対応をまとめた資料(学校安全参考資料)を各家庭に配る――の10項目です。

本気の痴漢対策を求めます!来学期から #NoMoreChikan 要望書.pdf

 徳永議員は、自身や知人の経験を挙げ、痴漢にはいろいろなケースがあると指摘し、あまりにも突然で本人も何が起こったのか分からず固まってしまう、本当に痴漢だったと言えるのか分からない、満員電車で周りにたくさん人がいるのに誰も助けてくれない――といった経験をしている人は多いのではないかと話しました。「痴漢行為はどういうものなのか、痴漢を受けた方たちがどんな思いをしているのか、原因はどういうことなのか、どれだけのケースがあるのか分からないことが沢山あるので、まずは調査をしていくことが必要。何をもって痴漢行為とするのかということについて議論をして、『これが痴漢行為なんだ。やってはいけないことなんだ』としっかり確立することが必要だ」と述べました。
 党として(1)痴漢は犯罪であって、国として痴漢対策に取り組む具体的な施策を検討していく(2)痴漢抑止のためのバッジ、ポスターなど効果のある方策について民間団体や鉄道会社等と連携して開発する──ことを考えていると紹介し、今回の要望を含め、鉄道会社の労働組合を通して事業者に協力を求め、目に見える形で対策が進むようにしていきたいと話しました。

 打越議員は、社会で痴漢を犯罪としてとらえること、加害者の再発防止のためプログラムは当然必要であるのに加え、痴漢にあってしまった時にどのように相談したらいいのか分からない、見かけた人がどう対応したらいいか分からなくて見て見ぬふりをしてしまうといった課題があるので、「私たちとしても考えて、政策という形でしっかり支える工夫をしたいと思う」と述べました。

https://cdp-japan.jp/news/20210913_2077