野田佳彦代表は、国会内で定例記者会見を開き、日米関税交渉をめぐる米大統領令署名の動き等について発言しました。

 冒頭で野田代表は、台風15号が和歌山県に上陸して記録的な大雨をもたらしている地域があることに懸念を示し、立憲民主党では小川幹事長のもとに情報連絡室を設置し都道府県連とも連携しながら情報収集を行い、継続的に警戒を行っていることを報告し、引き続き状況を注視していく考えを示しました。

 トランプ米大統領が4日、日本から輸入する自動車への関税を15%に引き下げることなどを盛り込んだ大統領令に署名したことについて野田代表は、「追加関税25%でしたが従来の税率と合わせて15%に引き下げられるということになる。これまで(引き下げが)いつになるかと心配しておりましたので、時期が明確になったことは一定の前進だと思います。ただ15%になるわけなので、当然のことながら経済や雇用への影響がある」と指摘。政府にはこうした点を注視し、よく分析を行ったうえで対応を取るべきだとの考えを示しました。

 また、概算要求のなかでもこれらの対応が盛り込まれていることを踏まえ、「速やかに対応するという意味でも早く補正予算を編成し審議をすべきではないか」とも語りました。

 投資分野についての合意文書に関して、「日本は5500億ドル(約80兆円)の対米投資を行うと合意した」とされていた点について、「80兆円がいわゆる最大なのか、最低なのか、ウィズオーバー(with over)という言葉が入っているのかどうか、投資インベストメントがアメリカの趣旨という解釈なのか、日本が言っているような融資や融資保障まで入るのかなど、よく分析をしなければいけませんし、コメの問題についてもどういう位置づけになっているかなど、文章をよく見た上で判断をしていきたい」と述べました。さらに野田代表は、「関税から投資へという方向で交渉をしてきたということでありましたが、その投資については日本が得意としていた財投(財政投融資)をアメリカの投資という形で位置づけているのだろうと思うが、事実上、アメリカにとってはソブリンファンドを外国の金で実現できるような話であって、方向性などは全部トランプ大統領が決めていき、四半期ごとにチェックするということになるのではないかなど、文章をよくチェックをしていきたいと思います」と述べました。

 野田代表はまた、赤沢大臣の10回目の訪米からの帰国後には予算委員会理事懇談会での説明、もしくは必要があれば閉会中審査なども視野に入れ、説明を求めていく考えを示しました。