26日に投開票された宮城県知事選で、立憲民主党前宮城県議の遊佐美由紀氏(62)が大敗した。6選を決めた現職の村井嘉浩氏(65)と、参政党が全面支援した前参院議員の和田政宗氏(51)が接戦を演じた中、遊佐氏の得票は村井氏の半分程度。県選出の立憲衆参議員は5人いて、県議らも支援したが埋没した。
遊佐氏は県議を8期途中で辞め、立憲を離党して無所属で立候補した。立憲は党として推薦などはしなかったが、立憲衆参議員や県議らが連日のように遊佐氏を応援。立憲の安住淳幹事長(宮城4区)は「今度は穏健中道リベラルの私たち」と街頭で訴えた。
遊佐氏は「新・福祉立県みやぎ」と掲げ、中小企業の賃上げ支援や高校卒業までの医療費・小中学校給食の無償化、在宅介護支援などを訴えた。落選が決まった26日夜、記者団に「福祉、生活者重視をもっと分かりやすく具体的に進めればよかった」と述べた。
立憲の岡本章子衆院議員(宮城1区)は「今の立憲民主党は既存政党として見られている。閉塞(へいそく)感や不安を打破する受け皿になりきれなかった」。党内から「(参政に)メディアやSNS含め、選挙の中身というより手法をジャックされた」(県連幹部)との声も出た。
遊佐氏は17万6287票で、34万190票の村井氏、32万4375票の和田氏らに大差をつけられた。立憲は7月の参院選比例区で、得票数が国民民主、参政両党に続く野党3位に沈んだ。党は「事実上の敗北」と総括。人事を一新していた。