安住淳幹事長は10月10日、公明党の政権離脱方針表明を受け、国会内で記者団の取材に応じました。

 安住幹事長は公明党の政権離脱方針について、「本当に歴史的な1日になったのではないか。政治とカネをめぐる問題で、自民党の対応は我慢の限界を超えたのだろう」と分析、「この1年間、政治とカネの問題で改革をずっと訴えてきたが一歩も前進していないと強く主張されていた。26年間積み上げてきた連立政権を壊してでも、自民党に猛省を促すぐらいの決意だったのではないか」と述べました。さらに、「連立の解消は決して容易なことではなく、どうなるか注目していた。斉藤代表の話を聞いていると、党員の皆さんを含めて、自民党の尻拭いをさせられてきた。一時の怒りではなく、積もりに積もった思いが離脱に至らしめたのではないか」と感想を語りました。

 首班指名への影響については、「自民党から高市早苗氏が出るとして、石破茂首相が総辞職すれば首班指名となるが、当選ラインが一気に196票まで下がる。わが党も149票で、これからどんな組み合わせになるか予断を持って話すことはできないが、決選投票の組み合わせ次第では、十分政権交代の可能性も出てきたのではないか」と指摘、「公明党が与党の枠から抜け出て、昨日とは状況が一変した」とし、「誰が首相になるか分からない。どういう内閣を、誰が中心となって作っていくかは、ゼロベースで考えなければならない」と述べました。

 今後の公明党との関係について、「すべて白紙にするということは閣外協力ではなく、いったん野党になるということだ」と指摘し、「選挙協力もしないということは野党になるということで、同じ立場で話をする機会は出てくるのではないか」、「もともと与野党に分かれていたが、中道勢力ということでいえば、外交・安全保障や国内の政治のあり方について最も近いのはおそらくわが党だ」と期待を示す一方、将来的に政権を共にする可能性については「全く考えていない」と否定しました。

 また、「世間に与える影響は大きいが、公明党や自民党内の衝撃も相当大きいだろう。戦後政治の中でこの強固な連立政権が崩れることは大変なことだ」とした上で、「野党第1党として政権運営を真剣に考えなければならない。仮に政権に加わらないとしても、われわれの議席数からすると自民党と責任を共有せざるを得ない立場だ。緊張感を持って臨みたい」と立憲民主党の責任について語りました。

 政治空白が続いていることについて、「参院選後、自民党は自分のために延々と時間を使っている。国民や野党、公明党を無視し、総裁選を含めて延々と自分のために時間を使い、今になって見通しが立たないから待ってくれと言う。そんな無責任なことをしているなら政権を渡してもらった方がいい」と自民党の姿勢を厳しく批判、「われわれの方が真摯に他の野党と協力し、一歩でも二歩でも国政を前に進められる。よりましな政権運営ができる」と自信を示しました。

 石破首相の戦後80年談話の発表と重なったことについては、「戦前の総括をきちんとやることは、決して悪いことではない。強い反省と平和な日本を作っていく決意の下に昭和20年8月15日からスタートしたことを思い起こすことはいい」としながらも、「このタイミングで重なることは、政府与党としての連絡のあり方としてどうなのか」と疑問を呈しました。