立憲民主党日米通商問題対策本部(本部長:重徳和彦政務調査会長・衆院議員)と農林水産部門(部門長:金子恵美衆院議員)は、米国の関税措置に係る日米交渉について、江藤拓農林水産大臣に申しれを行いました。

 冒頭、重徳日米通商問題対策本部長より、今回の関税の問題を機に党内に日米通商問題対策本部を設置したことを報告した上で、「交渉の過程で、農産物がテーマになる懸念が強まってきた。この4月にも牛肉、豚肉の関税は安くなっている中で、先方だけ上げているのはフェアな話ではない。これは明確な日米貿易協定違反だということをスタートラインとして交渉すべきだと私たちは当初から申し上げてきた。赤沢大臣がどのようなやり取りをしたのか明らかになっていないが、毅然としたスタンスで臨んでいただきたい」と述べました。

 重徳本部長は、昨日24日の「次の内閣」において新たに公表した、農地に着目した直接支払制度「食料確保・農地維持支払制度」と、国をあげて農家を増やすための「新たな新規就農対策」について触れるとともに、「食料・農業・農村基本法、基本計画に取り組んでいる中で、そこにダメージを与えるようなことは、俎上に上げるべきではない」と申し入れの趣旨を説明しました。

 野間農林水産部門長代理は、「基本計画についても、ずいぶん野党側の意見を取り入れていただいた。せっかくの基本計画への取り組みを削ぐことがないようにしていただきたい」と述べました。

 これに対して江藤農相は、「日米の今回の案件によって皆さんと議論して練り上げた基本計画が実行できない、農家の営農意欲を削ぐようなことになっては、何にもならない。党が違うので手法の違いはあって当たり前だが、目指す方向は一緒だ。直接支払のあり方は検討の俎上にのせているし、新規就農者も増やさなければならないと考えている。御党からも強い申し入れをいただいたことは心強い。本日は、自民党、公明党、共産党からも決議をいただいた。日本の構造改革をしなければならない。これからの5年間が重要だということは共通認識だと思っている」と応じました。

 終了後、重徳本部長は記者団からの取材に応じ、「日米貿易協定の明確な違反だというところをスタートラインにしていかなければならない。農産物の関税を大幅に引き下げるというのが日米貿易協定の趣旨だ。その条件として、車の関税を低く維持するというのが基本的なラインだ。交渉事なので明らかにできない部分もあると思うが、できるだけの情報をいただき、交渉姿勢に問題があれば、国内の意見として厳しく指摘していかなければならないと考えている」と述べました。

 そのほか、米価高騰の問題、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されかねないEUの動きがあること等についても、江藤農相と話をしたことが報告されました。

 今回の申し入れには、重徳和彦本部長と野間健農林水産部門長代理が参加しました。