SNS・インターネット上の誹謗中傷をこれでは処罰できない~政府案に対し対案を提出

   立憲民主党は「刑法等の一部を改正する法律案(通称:インターネット誹謗中傷対策法案)」を衆議院に提出しました。同法案は、インターネット・SNS上などの誹謗中傷への対策を行うため、刑法に加害目的誹謗等罪を創設するとともに、犯罪被害者保護法やプロバイダ責任法を改正するものです。
 
  法案提出後の記者会見で、筆頭提出者の米山隆一衆院議員は、今回の議員立法が政府提出の刑法改正案に対する対案であることを指摘し、閣法が「今まである侮辱罪の法定刑を増やすだけの侮辱罪厳罰化法案」だと批判しました。侮辱罪は現在、年間30件程度しか立件されておらず、インターネット上の対策には全くならない上に、「例えば『総理は総理の器でない』といったよく言われる政治批判がすべて侮辱罪だとされ、そして逮捕されかねないことになる」として、言論の自由が脅かされかねない法案だと指摘しました。
 
  その上で米山議員は、本対案で提案した加害目的誹謗等罪について「ダイレクトメールでもインターネットでもLINEいじめでも、誹謗中傷はきちんと対処しながら、しかし言論の自由をしっかりと守っていく法案だ」と述べ、侮辱には当たらないが相手の人格を攻撃する誹謗中傷行為について正面から刑法の対象にするとともに、名誉毀損の場合と同様の特例を設けることで政治家などへの正当な批判を罰することがないようにした今回の法案の意義を強調しました。
 また、犯罪被害者保護法改正案では、損害賠償命令制度の対象事件に名誉毀損罪などを追加し、さらにプロバイダ責任制限法改正案では、発信者情報の開示を幅広く認めることを可能にするため、特定電気通信の定義や権利侵害の態様などを見直すとともに、ドメイン・ネーム管理者にも開示請求できるようにする、などの提案をしています。
 本法案の提出者は、米山隆一、鎌田さゆり、山田勝彦の各衆院議員です。(4月20日)

 

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