萩生田文科大臣「身の丈」発言、「政治が放棄する姿勢、あるまじき発言で深刻な問題」と枝野代表

 枝野幸男代表は26日、視察先の水戸市飯富町で台風19号被害の現地視察の後、記者団の取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:今回、台風19号被害ということで、日本全体の経済産業にダメージがあったと思いますが、切れ目ない行政が求められている中で昨日、菅原一秀経済産業大臣が辞任しました。このことの受け止めを

 辞任そのものは当然のことというか、むしろ遅かったくらいではないかと思っていますし、大臣をお辞めになったからといって説明責任から免れるわけではないことはきちんと指摘をしておかなければならないと思っています。
 そもそも災害が予想される事態の中で無理やり(内閣)改造をしたというところから、すべてが少しおかしいのではないかと思っておりますが、経済産業省がしっかりと商工業の下支えと再建に向け、影響されることなく、きちんと進めてもらいたいと思いますし、私たちも国会審議を通じてもそうですし、私も大臣経験をさせていただきましたので、しっかりとそこはプッシュしていきたいと思っています。

Q:安倍総理大臣の任命責任も重いと思いますが、野党として今後、来週以降どのように説明責任、安倍総理大臣の任命責任も含めて、説明責任を果たさせていくお考えでしょうか

 まずはご本人の問題ですので、菅原議員ご本人がまずしっかりとご説明をされることだと思います。

Q:国民民主党森ゆうこ議員の質問通告の流出問題の関連で、北村誠吾地方創生大臣が以前、「内閣府から流出していることが事実であれば責任をとる」という発言をされていましたが、昨日になり「一般論として必要な対応をとる」という意味だと釈明、その上で辞任は想定していないとして、責任をとるという発言について説明を翻すようなことがありました。これについて受け止めを

 いずれにしても問われている問題は、結果的に国会議員の質問権を制約するようなことが起こらないように、起こったとすればその事実関係をはっきりさせることだと思います。

Q:今回、菅原大臣が辞任され、他にも問題が指摘される閣僚も多いわけですが、今後の国会などで閣僚の資質などを追求していくお考えか

 いろいろな大臣でいろいろな問題があるのですが、私は(萩生田光一)文部科学大臣の大学入試英語の試験に関して「身の丈」発言とされる発言がされていると。私も前後含めてご発言をみさせていただきましたが、もちろん教育の機会均等は現実的には生まれ育った家庭環境によって全部イコールにはならない現実がある、そのなかで、それをいかにイコールにしていくのかが政治の役割であるのに、政治の側がそれを放棄してしまっているような姿勢は、これは文部科学大臣としてあるまじき発言で、菅原大臣の問題以上に深刻な問題だと受け止めています。

Q:昨日、菅原大臣の辞任を受けて経済産業委員会を含めて委員会が流会するということがありましたが、来週以降国会の正常化に向けて与野党国対委員長同士の話し合い等がされていると思いますが、与党側にどういった国会運営を望みたいか

 しっかりと議論を要する委員会について、充実した議論の場と時間を確保していただきたいということに尽きると思います。
 経済産業委員会が大臣隠しで委員会を開かないことがあったわけですが、大臣がお辞めになり新しくなったので、そこはちゃんと審議していただけると思いますが、われわれから出している議員立法を含めて、きちんと議論すべきことを議論する場作りをしっかりとやっていただきたい。
 それこそ新しい大臣のもとで関電問題をもう一度しっかりと議論させていただかなければいけませんので、ぜひ予算委員会の集中審議を、これはマストだと思っています。

Q:「身の丈」発言の関連で、立憲民主党は共同会派として民間英語試験導入を延期する法案を提出していますが、今国会で民間英語試験導入について立憲民主党としてどのように臨まれていくか

 とにかく国会で審議をしていただきたいし、その前にこの「身の丈」発言を中心にした大臣の責任をしっかりと問うていかなければならないと思っています。
 この制度がこのまま行けば適用される高校2年生にとっては、その方が新卒で受ける大学入試は来年1回しかないわけですから、何か試しにやってみるとか、とにかく見切り発車でやってみた上でみたいな話は、この人たちにはまったく通用しないし、今の3年生にとっても1浪したらどうなるんだということについて本当に深刻な状況だと思っています。
 あえて申し上げれば、こんないい加減な試験制度を使わないと既に宣言をしている大学の皆さんは大変立派な皆さんだと。ぜひ受験生の皆さんも、この英語の共通試験を使わない大学というのはいかに立派な大学か、受験生のことを考えている大学かということをぜひ判断基準・評価基準に入れていただければいいのではないかと。おすすめしたいと思います。

 

https://cdp-japan.jp/news/20191027_2228

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