泉代表、代表質問で27項目の政策提案

諸課題(1)所得の再分配
 総選挙で立憲民主党が提案した所得税の最高税率の引き上げ、金融所得課税の強化について改めて提案。施政方針演説に「具体的な所得再分配政策が見当たりません」と指摘し、所得再分配がどの部分にあるのか答弁を求めました。また、中小企業が新たに正社員を増やした場合に、社会保険料事業主負担を軽減すること、希望する非正規雇用の方々の正社員化を進めるための派遣法の見直しを行うことについて岸田総理の見解を問いました。さらに、政府の賃上げ税制が、ボーナスや残業代を含む「給与等支給額」の増加を要件としていることについて、「安定的な可処分所得の増加とそれによる消費の活性化を図るなら、基本給の増加を要件にしたらどうか」と見解をただしました。他にも立憲民主党がベーシックサービス従事者の賃金引上げ2法案を提出していることを紹介し、政府が来年度予算で介護・障害福祉職員、保育士等の賃金を3%程度月額9000円引き上げることとしていることに触れ、「上げ幅は十分ではありません」と指摘。岸田総理がこれらの職種の賃上げを全産業平均比でどこまで目指しているのかただしました。岸田総理は賃上げ税制について、「価格転嫁の円滑化などを通じた民間の賃上げに向けた環境整備を行うことにより、広く国民一人ひとりの所得の引き上げに取り組んでいく」と答弁しました。

(2)地域活性化
 ・・・政府が水田から畑への転換に協力した農家を支援する水田活用の直接支払い交付を令和4年度から見直しを進めていることを取り上げ、耕作放棄地化等の懸念や対応できないと声があがっていることに「本当に令和4年度から強行するのか」と疑問を呈しました。エネルギー政策について泉代表は、「日本が脱炭素化など気候危機対応の分野において世界を主導するとともに、国内では再生可能エネルギーの導入で地域の自立を図るべきだ」と訴え、自治体、住民および地元企業が、再生可能エネルギーを生み出すことは、地域に雇用も生み、域内経済の活性化にもつながると主張し、住宅用太陽光発電のさらなる普及の後押しを提案。全国の公共施設の改修や新築において、省エネ再エネ導入を義務化することを提案しました。岸田総理は、公共施設の改修や新築における省エネ再エネの導入義務化について「すでに政府が率先して導入する設置可能な全ての建築物への再エネ導入を進めるとともに、公共施設を含めて住宅建築物の省エネ基準の適合義務化や基準の引き上げなどに取り組む」と前向きに答えました。

(3)将来への分配

 泉代表は日本の家族関係政府支出がGDP比で1.73%であると示し、「先進国の中で最低水準。欧州諸国に比べると半分程度です。総理、低すぎるとは思いませんか」と指摘。総理の演説にある若者世代の所得引き上げの具体策提示を求めました。「18歳以下の子どもへの10万円給付も、児童手当も、子どものための支援ならば、所得制限はなくすべきです。そして児童手当は高校卒業年次まで拡充すべき」と訴え総理の見解を尋ねました。また、18歳以下の子どもへの10万円給付がDV等を理由に離婚した場合に元世帯主に振り込まれて受け取れない問題の解決も求めました。岸田総理は、家族関係政府支出の対GDP比が欧州諸国と比較し低いことを認め、「安定財源を確保しつつ、子育て支援の充実に取り組んでまいりました。今後、分配戦略の柱として、子育て若者世代に焦点を当て、世帯所得の引き上げにむけて取り組む」などと答弁しました。

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課題   文書通信交通滞在費の「日割」、「差額の国庫返納」、「使途報告・公開」について自民党内へ指示すること、森友学園問題で公文書改ざんを強いられて命を絶った赤木俊夫さんに関する裁判を終結させたことに関して黒塗りファイルの開示や検察がもつ全資料を開示すること、認諾の賠償金を税金ではなく公文書改ざんを指示した人物に負担させること――等を求めました。また、学術会議の会員の任命拒否が続いていることが違法状態という認識はあるのかただしました。文書通信交通滞在費について岸田総理は、「ご指摘の通り全議員共通のルールを作るべきと認識している」と述べ、各党各派の真摯な議論を通じた合意形成を求める考えを示しました。

外交・安全保障   今年3月の核兵器禁止条約第1回締約国会議へのオブザーバー参加、北朝鮮の拉致問題に対し今年中に何か行動を起こす決意があるのか、日米地位協定の見直しの協議入り、辺野古基地建設の中止、米中のせめぎあいの中、日本企業に取引規制を求める一方、米国には個別で許可をするような扱いがないよう日米の企業に公平な扱いを求めるべきではないか――と提案。また、危機にさらされた海外在留邦人を輸送する自衛隊改正案は何を改正するのか、敵基地攻撃能力の保有は米国から要望があるのか、敵基地攻撃能力はわが国への攻撃着手があった場合の反撃能力を指すのか、攻撃着手がない段階でも他国を攻撃する能力も想定しているのか、どのような兵器が想定されるのか、「国家安全保障戦略」の改定は絶対に政府与党のみで決めず、国会で議論すべきと主張し総理の答弁を求めました。敵基地攻撃能力について岸田総理は、「この検討は、米国から要望を受けて行うものではなく、わが国として主体的に行うものであるというのは当然のこと」と述べ、憲法および国際法の範囲内で日米の基本的な役割分担を維持して検討を進めていく考えを示しました。

 

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