立憲民主党は、野党各党と国会内で政策テーマごとに協力を進めています。立憲民主党が主導して、野党が課題ごとに結束して政府・与党に対峙(たいじ)することで、旧統一教会問題や通園バス置き去り問題などで政府に見解を改めさせるなど、さっそく成果をあげています。
 主な協力項目と野党の動きと成果について紹介します。(◎…前進、○…着手)

主な協力項目 成果 野党の動きと成果
旧統一教会に関する被害救済のため
(立憲、維新、社民)
成果1へ
通園バス置き去り防止法案
(立憲、維新、共産、社民)
成果2へ
国会法改正
(立憲、維新、共産、有志、れいわ、社民)
成果3へ
10増10減法案 成果4へ
若者・子育て世代支援 成果5へ
(旧)文書通信交通滞在費法案 成果6へ
北朝鮮のミサイルへの対応 成果7へ
感染症法等改正案の対案・関連2法案
(立憲、維新、社民)
成果8へ

【成果1】 旧統一教会に関する被害救済のため 与野党協議「◎」
 悪質献金被害救済法案提出「◎」
(立憲、維新、社民)

 安倍元総理の銃撃事件を機に、旧統一教会のいわゆるマインドコントロールなどによる悪質献金被害があらためて注目されるようになりました。立憲民主党は7月より対策本部を立ち上げ、弁護士連絡会や2世信者、有識者等から精力的にヒアリングを行い、10月17日、「悪質献金被害救済法案」を野党で共同提出しました。さらに、自民党・公明党と与野党協議会を設置し、今国会での法案成立を目指します。
 旧統一教会の宗教法人格のはく奪については、立憲民主党は現行法においても十分解散命令の請求は可能であるとして、政府に求めています。岸田総理は実施されれば初となる質問権の行使の指示を出し、政府審議会にて詳細な議論がなされています。質問権の行使は解散請求に必須のプロセスではありませんが、解散命令請求は当然として、被害予防・救済につながる調査となるよう引き続き追及していきます。

【成果2】 子どもの命を守るため「通園バス置き去り防止法案」を提出「◎」
(立憲、維新、共産、社民)

 10月14日、置き去り防止装置の設置を義務づけ、設置・維持管理の費用を全額国が補助する法案を野党で共同提出しました。法案には、幼児等の安全を確保するため、職員の配置基準の引上げや職員の処遇改善を図るために必要な措置を講ずることも盛り込んでいます。
 政府は設置費用の9割程度を補助するとしていましたが、われわれが提出した法案を受けて、岸田総理は、事業者の負担を実質的にゼロにすると表明しました。9月に静岡県の認定こども園で起きた事故の後に、国対ヒアリング等を重ねたことが、政府の対策を「置き去り防止装置設置義務化」まで進めることにつながりました。

【成果3】 20日以内の国会召集を義務づける国会法改正案の提出「◎」
(立憲、維新、共産、有志、れいわ、社民)

 これまで自公政権下では野党が憲法53条の規定に基づいて衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の連名により臨時国会の開催を要求しても、内閣が準備のための合理的期間を過ぎても臨時国会を召集しないケースが少なくありませんでした。今回、野党が共同で提出した国会法改正案では、憲法の定める要件を満たして臨時国会召集を要求した場合には、内閣は20日以内に臨時国会を召集することを法定化することとしています。法案は未付託・未審議となっています。

【成果4】 「10増10減」を盛り込んだ公職選挙法改正案 成立の見通し「◎」

現行の衆院選挙制度が憲法の保障する投票価値の平等に反し違憲状態にあるとする最高裁判所の3度にわたる判決を受けて、5年に一度の国勢調査結果を踏まえて衆議院小選挙区の都道府県別定数をアダムズ方式と呼ばれる比例配分(端数は切り上げ)方法で見直した上で、各小選挙区の1票の格差を2倍未満となるよう改定する等の新たな制度が2016年の法改正で導入されました。改正法で定める最初の選挙区割り見直し(10増10減)勧告が6月に出されましたが、自民党内にこのアダムズ方式による区割り見直しに抵抗する声が根強く見られたことから、政府が区割り改定法案を国会に提出しない場合にはこれと同じ内容の法案を野党が議員立法で提出して審議を求めることとし、法案を作成。結局、政府案がようやく国会に提出されたことから、野党案は提出していませんが、違憲解消へ前進しました。

【成果5】 子ども・若者応援本部設置 有効な若者・子育て支援策まとめ政府に求めていく「○」

 現在の経済情勢を踏まえ、若者や子育て世代が厳しい経済状況に置かれていること、また日本の子ども子育て関連予算はOECD諸国の中でも大変低い水準にあることなどから、子ども子育て関連予算を大幅に増額し、子どもや若者への支援を拡充していく必要があります。
そのため、野党で共通する政策をまとめて、より有効な対策を提案し、政府に実現を求めていきます。

【成果6】  (旧)文書通信交通滞在費法案 法案提出目指す「○」

 昨年の衆院総選挙で10月31日に当選した新人議員等に在職1日で10月1カ月分の文書通信交通滞在費が支給されたことから、これまで月割り支給となっていた同費を日割り化するとともに、使途報告やその公開を検討するため与野党で協議会を進めてきました。この結果、先の通常国会ではまず同費の名称を調査研究広報滞在費に改めるとともに日割り支給とする国会法・歳費法の改正を与野党で成立させましたが、使途報告・公開などは与党が通常国会での合意を拒み、未改正となっています。引き続き野党が協力し、使途の公表などを定めた法案の提出を目指します。

【成果7】 北朝鮮のミサイルへの対応 衆院連合審査会の開催を実現「◎」

 今年に入り、北朝鮮はかつてない頻度でさまざまな弾道ミサイル発射を行っており緊張が高まっています。政府は財務大臣が外遊中で不在であることを理由に、10月3日に臨時国会招集した次の週は国会を「開店休業」にしようとしていました。しかし10月6日、9日と北朝鮮がたて続けにミサイルを発射したことを受け、野党が協力して与党に強く申し入れを行った結果、衆院の外務委員会・安全保障委員会・拉致問題特別委員会の連合審査会が10月13日に開催されました。原発の防御、国民保護など、現状の防衛上の問題点について重要な政府の見解、答弁が示されました。

【成果8】 感染症法等改正案の対案・関連2法案提出「◎」
(立憲、維新、社民)

 政府の感染症法等改正案への対案・関連2法案(「国民本位の新たな感染症対策樹立法案」「日本版EUA法案」)を野党で取りまとめ、10月21日に共同提出しました。その後、2法案の内容を踏まえて政府案の修正を与党に提案し、3項目の修正を勝ち取りました。(1)新型コロナの罹(り)患後症状の医療、(2)予防接種の有効性・安全性の情報の公表、(3)新型コロナの新型インフルエンザ等感染症への位置付け――等それぞれについて、あり方を検討する規定を盛り込む修正です。