立憲民主党の内閣部会と厚生労働部会、子ども・子育てプロジェクトチーム(PT)は合同で4日午前、内閣府に対し「少子化対策に逆行する児童手当の削減に反対する要望書」を手交しました(写真上は、池上直樹内閣府子ども・子育て本部参事官に要望書を手渡す立憲民主党の議員)。

少子化対策に逆行する児童手当の削減に反対する要望書

立憲民主党 子ども・子育てプロジェクトチーム

 政府は、令和3年度予算編成に向けて、児童手当の世帯合算の導入や特例給付の見直しを検討しているが、昨年の出生数は約86万人と過去最低を記録し、コロナ禍の影響で収入が減っている家庭も出てきている中、子育て世帯の負担増となる児童手当の削減には以下のとおり、強く反対する。

〇 社会全体で子どもの育ちを支える観点から、世帯の年収にかかわらず、すべての子どもに対して児童手当を給付するべきであり、特例給付の廃止・縮小は認められない。
〇 理想の子どもの数を持たない理由の第一は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」であり、子どもがいる世帯の約6割が共働き世帯であること、共働き世帯では収入が増える一方で支出も増えることに鑑み、共働き世帯の負担増や、女性の就労意欲をそぐことにつながる世帯合算の導入は認められない。
〇 我が国の家族関係社会支出は、先進国の中で最も低い水準であり、待機児童対策の財源を児童手当の削減により同じ子育て予算から捻出することは、少子化対策に逆行し認められない。菅政権は縦割り行政の排除を掲げており、子育て予算以外の予算の見直しを行うべきであり、むしろ子育て予算は拡充すべきである。

 子ども・子育てPT座長の大西健介衆院議員が要望書の内容を説明。内閣部会長の今井雅人衆院議員は、「少子化の問題は危機的な状態であり国難だと思っている。子育て予算のなかから振り当てるのでなく、外の予算を引きはがして少子化問題に集中的に予算を投資して対策をしていくことがこれからの日本にとって必須だ」と指摘し、坂本内閣府特命担当大臣(少子化対策、地方創生)には主導的な役割を果たしてほしいと求めました。

 これに対し池上直樹内閣府子ども・子育て本部参事官は、「(要望書の内容を)大臣にしっかりお伝えする」と受け止めた上で、「児童手当に関しては、多子世帯や、子どもの年齢に応じた給付を求める意見がある一方で、社会情勢が変化しているなかで世帯合算の導入、特例給付のあり方の見直しを求めるご意見もある」と発言。それを踏まえ、政府としては「少子化社会対策大綱」に基づき、財源確保の具体的な方策と合わせて子どもの数や所得水準に応じた効果的な給付のあり方を検討していきたいとの旨述べました。

 道下大樹衆院議員は、党の税制調査会長事務局長の立場から、「応能負担であり、税金を払っているのにサービスを受けられないのはおかしい。サービスは一律にすべきだ」と主張。

各国の家族関係社会支出の対GDP比(2015年)-1.jpg

 早稲田夕季衆院議員は、「日本の家族関係支出がいかに低い水準化がお分かりではないか。これでは少子化対策をやる本気度がないと表明しているのと同じこと。報道を見たとたん『見捨てられた』と感じている子育て世帯からメールをいただいている。家計関係予算から振り替えるような児童手当の削減はやめていただきたい」と求めました。

 重徳和彦衆院議員は、かねてから「増子化」社会を目指す立場だとして、「予算全体の配分をシフトしていかなければいけない。社会全体を変えていっていただきたい」と要請。

 ジェンダー平等推進本部本部長の大河原雅子衆院議員は、「自民党政権下で子育て対策が失敗してきた原因が浮き彫りになっている」と指摘。子育て予算からの振り替えはあってはならないと重ねて訴えました。

 阿部知子衆院議員は、「いつ頃までに何がどう決まるのか。何をどの手順で見直していくのかを示してほしい」と事実関係を確認。池上参事官は「具体的な期限が決まっているものではない」と答えました。

 大西衆院議員は、政府のこうした動きに対し、ネット上では「子育て罰の厳罰化」という声が上がっていると紹介。「これなら3人目を生むのはやめる」ということが実際に起きつつあるとして、そうしたことにならないようにと削減反対を強く表明しました。

少子化対策に逆行する児童手当の削減に反対する要望書.pdf

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https://cdp-japan.jp/news/20201204_0362