衆院本会議で28日、菅総理の施政方針演説に対する代表質問が行われ、立憲民主・社民・無所属を代表して泉健太政調会長が登壇しました。

 政府のコロナ対策への取り組みが不十分なため、いまだ感染は収まらず、コロナ前の生活や事業活動が維持できず、苦しみの中にある多くの国民の皆さんがいると述べ、こうした方々への支援策を強化すべきだと提案しました。

 農林水産省の農家向けコロナ補助金「次期作支援交付金」について、「農水省は当初241億円の予算を確保、全国の農協を通じ、農家に補助金の活用を促していたが、当初予算を大きく上回る約1900億円分の申請が来たと分かると、農水省は突如給付条件を変更し、全国の農家から怒りの声が上がっている」と指摘し、農水省に速やかな対応改善を求めました。

 新型コロナウイルス感染症対応休業給付金・支援金について、事業者の協力がもらえず給付金が受け取れない問題を指摘し、事業者からの協力を得られずとも労働局の判断で給付を実現できるよう制度改正を求めました。また、大企業で働く労働者が休業支援金・給付金の対象から外れていると指摘し、全ての労働者を対象にすべきだと提案しました。

 最前線の医療・介護・福祉・保育・教育に従事するエッセンシャルワーカーの方々の希望者には、公費で月2回のPCR検査を提案しました。GoToトラベルキャンペーンについて、開始後も前年比4割程度しか回復していない公共交通事業者の資金繰り支援が必要だと述べ、全業種の落ち込み度合いを緊急に調査し、落ち込みの大きい業界に対しては、何らかの追加支援が必要だと提言しました。また、学校のコロナ対策について、学校支援金の追加を求めました。

 新型インフルエンザ特措法の改正について、国と自治体、保健所間の情報共有を法定化し、都道府県知事の判断による緊急事態宣言を可能とし、クラスターや大規模イベントの際の休業要請と、それに応じた場合の支援給付金の支給など、政府は特措法改正案を出す予定はあるか、菅総理の見解をただしました。菅総理は幅広い意見を聞きながら検討していくと答弁しました。

 泉政調会長は菅総理がコロナ以前に発言した「海外富裕層向けの高級ホテルを全国に50棟建設」と「カジノ誘致」について、この構想に変わりはないのか、総理の見解をただしました。菅総理は「世界レベルのホテルの建設やカジノ誘致は地方経済に波及する」と答弁し、カジノ構想の撤回を否定しました。

 森友問題、加計問題、桜を見る会などの前政権で起こった不祥事について、「安倍政権時に官房長官だった、菅総理には真相を究明し、政治を前に進める責任がある」と述べ、菅総理に再調査機関の設置すべきではないかと進言しましたが、菅総理は前政権で調査済みであると答弁しました。

 「立憲民主党は人を大切にする雇用政策から日本経済の復活を提案します」と述べ、人を大切にする経済とは、消費減税、所得減税、そして給付のハイブリッドで国民生活を下支えするとともに、働くことの選択肢とセーフティネットを充実させることだと語りました。

 デジタル化の過度な推進について懸念を示し、菅総理に叩き上げだからこそわかる、自助の大変さ、共助すら困難な現代の孤立・孤独社会の難しさ、公助にたどり着くことの難しさを理解する総理であるべきだと説きました。

 立憲民主党は、多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う。最後に姿を現す公助ではなく、自助と共助の支えとなる備えある政府の実現を目指していくと結びました。

衆院本会議 泉健太政調会長 代表質問予定稿.pdf

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