【衆院文科委】文部科学行政におけるコロナ対策について中川、川内議員らが質問

衆院文部科学委員会で22日閉会中審査が開かれ、共同会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」から吉川元、中川正春、城井崇、川内博史各議員が質問に立ち、文部科学行政における新型コロナウイルス感染症対策などについて、政府の見解をただしました。

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 中川議員は、(1)児童生徒のPCR検査(2)GIGAスクール構想(「児童生徒1人1台コンピュータ」など全国一律のICT環境を整備)の進展――について質問しました。

 児童生徒のPCR検査について、神戸新聞(21日付)に掲載された記事を取り上げました。この記事によると、神戸市内の中学校で教諭一名の感染確認後、担任の生徒と教職員に限定しPCR検査を実施。その7日後、その教諭から授業を受けていた別のクラスの生徒の感染が判明すると、その生徒の同級生らに検査対象を拡大。その後、新たに別の生徒の感染が確認されたことから、感染した生徒と同学年の生徒、そして同じ部活の他学年の生徒に検査対象を拡大したとあり、感染が判明してすぐに全校検査を行うなど、学校でのPCR検査の基準について文科省の見解をただしました。

 萩生田光一文科大臣は、インフルエンザのようにウイルスの特性が十分理解されていれば、本人の登校禁止や学級閉鎖、学年閉鎖などガイドラインとして示すことができるものの、新型コロナウイルスは「未だある意味では正体不明のウイルスで、濃厚接触者との関係によってどう感染するかなどの経路がよくいろいろでわからないところがたくさんある」として衛生局と相談の上対応を決めるようガイドラインで示していると答弁。PCR検査についても、「可能なら誰も望んだときにいつでも学校できるような環境が整うのでしたら、そのほうが安心感を与えることは理解してるのですが、700万800万の児童生徒に直ちに、手挙げたらどこの学校もできるという状況にない」と説明しました。

 中川議員は、医師や保健所の判断がなくても、文科省が費用負担などを行い検査を実施できるようガイドラインを作ることを求めると、萩生田大臣は、「湯水のごとく予算があればできる」「PCRの検査体制にも今限界がある」「現状は感染症法に則った行政検査を進めており、文科省だけが児童生徒に特別に望みがあれば検査をし、その費用は国費で賄うとこの場でお答えすることはできません」と否定的な答弁に終始しました。

 これを受け中川議員は、すべて一律に検査を導入しろというのではなく、周辺で感染の可能性が出てきたときに学校を休校するかの判断するために必要であり、限定された形になると指摘。文科省の意志として検査するガイドラインを作ることを求めました。同様に、老人介護施設、福祉施設、放課後保育の施設なども検査を行うことで判断ができるところがたくさんあるとして、学校を対象とした検査をきっかけとして風穴を開けることに期待したいと語りました。

 新型コロナウイルス感染症の影響を受けGIGAスクール構想が加速している状況で、紙の教科書と電子教科書のあり方をどう整理するのか質問。文科省は、「それぞれの長所を踏まえつつ、学びの充実の観点からどのように使用していくことが望ましいのか検討をしていくことが必要」と考え、先週からデジタル教科書の今後のあり方等に関する検討会議を開催していると説明しました。

 中川議員は、こうした話は文科省の意志で整理をすることが必要だと指摘。教科書会社のみならず、教科書を流通させる業界なども含め大きな再編につながることだとして、できるだけ早めのスケジュールを示すとともに、将来の姿を示唆することが必要だと指摘しました。

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 川内議員は(1)コロナ禍での大学奨学金の返済免除と大学の学生生活(2)「GoToトラベル」キャンペーンと修学旅行の関係(3)大学研究施設でのPCR検査(4)持続化給付金――等について取り上げ、政府の見解をただしました。 

 独立行政法人・日本学生支援機構が設けている、博士課程入学時に、貸与終了時に決定する業績優秀者の返還免除を内定する「返還免除内定制度」では、「貸与期間終了年度の返還免除候補者として推薦を行うまでの間に、修業年限内で課程を修了できなくなった場合」には内定者取り消しとする旨規定しています。このことについて川内議員は「今年は新型コロナウイルス感染症の影響で博士課程の学生についても修業年限内で課程を修了できないケースも多く出てくるのではないか。このような場合、内定が取り消されることのないよう、適切な措置を講じるべきではないか」と指摘。萩生田文科大臣は「柔軟な対応をしていきたい。基本的にはコロナの関係で学校に来られない、研究ができないなどの人たちは例外的な扱いをしていきたい」との見解を示しました。

 22日から始まった、観光需要の喚起策「GoToトラベル」キャンペーンをめぐっては、「私は観光業者に直接給付をする、観光持続化給付金制度に変えて感染拡大の時期を乗り切ってもらうことが適切ではないかと考える」と述べた上で、修学旅行を対象としていることに、「安倍総理は『慎重に経済活動を再開する』と発言されているが、修学旅行は経済活動ではなく教育活動。慎重な対応が必要だ」と主張。その上で、事業を受託した共同提案体の再委託先、外注先の法人名と契約金額について尋ねました。これに対し観光庁は「具体的にはまだ確定していない」と答弁。加えて、GoToトラベルキャンペーンの開始時期の前倒しの決定、東京都を目的地とする旅行と都内に住む人の旅行を割引の対象から外す決定した決裁文書が存在するかとの質問に、観光庁は「文章による決裁は行っていない。口頭で大臣にご了承いただいた」などと答えたため、川内議員はこれを問題視しました。

 大学研究施設でのPCR検査については、野党はかねてから検査体制の拡充を求めてきた立場であり、文科省で実施したアンケート結果について共有を求めました。文科省は「貸出可能台数、現時点で検査を実施できる体制を構築しているのは15大学18部局、検査可能件数は1日最大2358件、今後協力することが可能なのは39大学52部局、検査可能件数は1日最大5431件で、137大学、306部局の763台が今後他の検査機関に貸出可能だとの回答があった。厚生労働省と密に連絡を行いPCR検査体制のさらなる拡大に向けて協力していく」と答弁。橋本厚労副大臣は、文科省と連携し、体制強化に向けて取り組んでいく旨述べました。

 持続化給付金をめぐっては、中小企業庁が作った申請のガイダンスと整合していない現場で審査する人が使うマニュアルが存在し、現場の審査が甘いことにより給付をすべきでない人に給付をしている、ある種の不正受給の実態があるのでないかと指摘。その実態を尋ねましたが、中小企業庁は「申請のガイダンス通りに給付が行われていると考えている」「どのように審査が行われているかは、われわれの手の内を明らかにすることになるので審査マニュアルなる文書の存否を含めてお答えすることは控えたい」などと繰り返し、答弁を拒みました。川内議員は「再委託や外注を繰り返すことによって現場の審査が申請のガイダンスと乖離をしてしまっているのではないか。そのために審査の甘さによって給付が行われてしまっているのではないか」と重ねて提起。「申請のガイダンスと現場で審査する人たちが使っている手引き、マニュアルと一致しているのか否かを中小企業庁として確認しているのか」とただしましたが、これについても中小企業庁は、「われわれの手の内を明らかにすることになるのでお答えすることは控えたい」と頑なに拒否したため、川内議員は「確認していないことを自らおっしゃっている」と呆れました。

 

https://cdp-japan.jp/news/20200722_3261

 

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