【衆院予算委】政府の新型コロナ対策をただす 大串、川内両議員らが質問

衆院予算委員会で2日、新型コロナウイルス感染症対策等について閉会中審査が行われ、参考人として政府の「新型インフルエンザ等対策有識者会議 新型コロナウイルス感染症対策分科会」分科会長の尾身茂氏、同分科会長代理の脇田隆宇氏、慶應義塾大学経済学部教授の竹森俊平氏が出席。「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」から大串博志、川内博史、後藤祐一各議員が質問に立ち、政府の見解をただしました(写真上は、質問する大串議員)。

 大串議員は、(1)感染状況の推移(2)政府が8月28日に公表した「今後の取組」(3)新型インフルエンザ等特別措置法の改正(4)GoToトラベルキャンペーン――等について取り上げ、通常国会閉会後の約2カ月半の政府の対応を「対策に空白が生まれている」と批判しました。

 大串議員は冒頭、新規感染者数が再拡大し第2波と言える状況にもかかわらず、野党が求めている臨時国会、閉会中審査での予算委員会の集中審議の開会が叶わず、約2カ月半もの間、安倍総理から国民への説明がなされなかったことに遺憾の意を表明。その上で、8月28日に総理が健康上の理由により辞意を表明、今後自民党の総裁選挙が実施され新体制になっていくなか、「新型コロナウイルス対策に空白があってはならない」と指摘。安倍総理が辞意表明の会見で新たな政策パッケージとして、季節性インフルエンザの流行に備え、新型コロナの検査能力を1日20万件程度(抗原簡易キット)まで拡充するなどと発表したことに触れ、「秋冬のインフルエンザが流行る前にやるというが、あと1、2カ月で具体的にいつまでにどう実施するのか」とただしました。これに対し加藤厚生労働大臣は、「メーカーに対して増産、生産の前倒し、さらに海外でも開発が進んでいるので輸入を強く働きかけをしている。8月31日にもあらためてメーカーにそうした要請を行ってきた。これからの流行期に向けて、その確保が図られるよう働きかけ等々していきたい」と答弁。大串議員は、現在認可を受けている2社では到底1日20万件の検査を実施できる能力はないと述べ、「単に目標を打ち上げているだけではないか」と問題視しました。

 新たな政策パッケージにある「緊急包括支援交付金による新型コロナウイルス感染症者の病床・宿泊療養施設の確保について、9月分までを対象に各都道府県に交付決定を行っており、今後さらに、10月分以降の予算を確保し、各都道府県における入院・宿泊療養の体制整備を進める」にも言及。「9月分の都道府県への予算は8月5日に交付をされ、都道府県はそれを受けて順々に9月の医療提供体制の強化をやってくださっている。9月は始まっているが10月以降分の予算をどう確保するのか」と迫りました。加藤厚労大臣は、「今、政府内で具体的な中身を議論している。先般総理の会見でも『必要があれば予備費の活用も含めて対応する』という旨の発言があったと承知をしている」と答弁。大串議員は「政府が財源を検討中という態度では自治体も困る。病床・宿泊療養施設の確保が進まないのは政府の責任ではないか。コロナ対策の空白が生まれていることを厳しく認識してもらいたい」と批判しました。

 GoToトラベルキャンペーンに関しては、あらため感染が拡大している今ではないと指摘。菅官房長官が記者会見で「これを行っていなければ大変なことになっていた」と発言した根拠を尋ねましたが、御法川国土交通副大臣は4-6月期に比べて国内旅行会社の前年同月比の減少率が回復したと答えるにとどまりました。大串議員は、大打撃を受けている観光業に対しては、宿泊業、旅行業のみならず、飲食業や小売業、バス、タクシーなどの運輸業と、地域経済全体を支える裾野の広い観光という分野への支援が必要だとあらためて主張しました。

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 川内議員は、(1)「感染拡大防止」と「社会経済活動」の両立(2)感染に関する偏見や差別、排除(3)持続化給付金の不正受給(4)GoToトラベルキャンペーン――などについて政府の見解をただしました。

 政府が掲げている「感染拡大防止」と「社会経済活動」の両立について、川内議員は「感染拡大防止」ということを強調するあまり、昨日感染したことを公表したアイドルのコメントの中にも「誠に申し訳ございません」という言葉があったり、地元鹿児島では、東京から来た人と会ったら2週間自宅待機する必要があるから会わないなど、「感染することは悪いこと」「感染した人は悪い人」といった偏見や差別、排除に繋がっていると指摘。感染状況を正確に把握し、適切な感染症対策をとることで社会経済活動を両立させていくという方針にすることで、結果的に感染拡大を防止することができるのではないかと述べました。

 加藤勝信厚生労働大臣は、発信方法によっては差別を助長することもあるとしてリスクコミュニケーションも含めて対応すること、これまでの知見を踏まえ対応が必要か否かをメリハリをつけて周知すること、感染した場合に対応できる体制の構築していく――との見解を示しました。

 西村康稔担当大臣は、「専門家の皆さんのお力も借りながら、正確な情報をお伝えしていきたい」「リスクコミュニケーションの専門家の皆さんのご意見を聞きながら、できるだけ正確に伝わっていくように努力していきたい」と語りました。

 また川内議員は、感染症対策とは分けて、社会経済活動を行っていくために検査を行う必要があると指摘。政府コロナ分科会の尾身茂会長は、症状の有無などにより3つのグループに分けた上で、社会経済活動を行う上での検査については、いろいろな課題があるとして、「問題点や課題、メリットを理解した上で、民間の力を活用してやっていただきたい」と提言していると述べました。

 政府の基本的対処方針等諮問委員会に参加した慶応義塾大学の竹森俊平教授は、経済的な意味の検査は非常に重要だと指摘。外国とだけでなく国内でも離れている心の距離をもう一度繋がないと、社会やグローバルなコミュニティができないと語り、国単位の行き来だけでなく、オーケストラの海外の指揮者が来日できればコンサートを開催できるといった人単位の行き来も行えるような検査体制が必要だとの認識を示しました。

 また川内議員は、「隔離」という表現を変えたほうが良いのではないかと提案。加藤厚労大臣は、法律上使われている言葉で、法律上の用語を使う場合には使わざるを得ないとした上で、感染症がこれまでさまざまな差別と非常に密接・不可分な関係にあったことを踏まえながら言葉を使っていかなければならないと述べました。

 持続化給付金の不正受給者が愛知県警に摘発をされたことについての質問に中小企業庁は、「不正受給事案に対しては逃げ得は許さないという考え方のもと、給付金の返還請求行うことはもちろん、引き続き警察とも連携しながら厳正に対処してまいりたい」と答弁しました。

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https://cdp-japan.jp/news/20200902_3366

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