【参院本会議】「多様性を尊重し、共生社会を実現することは世界の常識」水岡参院会長

 

 参院本会議で30日、菅総理大臣の所信表明演説に対する代表質問がおこなわれ、立憲民主・社会から水岡俊一参院議員会長が質問しました。水岡議員は、(1)新型コロナウイルス感染拡大下の自殺数増加(2)ひとり親家庭の現状(3)農家をはじめ生産者をどのように支えるか(4)日本の教育(5)国勢調査での同性カップル数調査――等について14項目の質問をしました。

新型コロナウイルス感染拡大下の自殺数増加

 水岡議員は、7月以降自殺者が増えていること、特に「女性の自殺者は深刻な状況」と述べ、状況をどのように分析し、どのような対策を考えているかを質問しました。菅総理は、政府において自殺を考えている方の電話相談やSNSを活用した相談体制の強化をはかっており、厚生労働省の指定法人で自殺者の動向分析を進め、結果を踏まえて具体的な対策につなげると答弁しました。

ひとり親家庭の現状

 シングルマザーを中心としたひとり親世帯の貧困率は48.1%と水岡議員は数字を示し、「前政権下において子どもの貧困対策は進んでおらず、相変わらず約7人に1人の子どもが貧困状態にある。これが日本という国の現状です」と指摘しました。第2次補正予算による「ひとり親世帯臨時特別給付金」の支給は1回限りの給付に過ぎず不十分なため、立憲民主党など野党が、児童扶養手当受給者に対して半年の間、臨時特別給付金を支給する「コロナ困窮子ども支援法案」を提出していることを紹介し、追加の給付金が必要だと主張しました。

農家をはじめ生産者をどのように支えるか

 新型コロナウイルス感染症の影響で、大小を問わず、飲食店が休業や営業時間の短縮を余儀なくされ、また、2020年産米の需給緩和も高まっており、来年2021年産米の需給の不安の声があることに触れました。そのうえで水岡議員は、「農林水産業は国民の食の安心を確保する要であり、そこに従事する方々を支えていかなければなりません」と述べ、コメを含む農業者戸別所得補償制度のように、安全装置としての直接支払制度を組み合わせて推進していくことが重要だと強調しました。

日本の教育

 菅総理が所信表明演説で「デジタル社会にふさわしい新しい学び」と述べたことについて、いったいどんな学びなのか、明確に示して欲しいと質問をしました。菅総理は、「一人一台の端末を活用しオンラインと対面による教育の良さを組み合わせながら、それぞれの子どもに最適な教育を実現することが重要であり、教育再生実行会議において議論を重ねている」と答弁しました。

国勢調査での同性カップル数調査

 水岡議員は、菅総理が所信表明演説で「多様性」に一言も触れなかったことをあげ、「『多様性』について関心がないとすれば、極めて残念なことですし、一国のリーダーとしてはその資質が疑われます。多様性を尊重し、共生社会を実現することは、もはや世界の常識だ」と述べました。全国で同性同士など性的マイノリティのカップルをパートナーとして認証する取り組みが進められている一方、婚姻の平等を求める訴訟が全国各地で起こっていること、主要7カ国で同性同士のパートナーシップに法的補償がないのは日本だけとなったことを指摘し、同性婚についての見解、国勢調査で同性カップルの数を調査すべきではないか質問しました。

 菅総理は、「現行憲法の下では同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません」「同性婚制度の導入の是非は、わが国の家族のあり方の根幹に関わる問題であり極めて慎重な検討を要するものと考えております」等と消極的な答弁をしました。国勢調査に同性カップル数調査を設けることについては、「全国一律で客観的な基準でおこなう必要があり、法制度にのっとっておこなう必要がある」と述べ、「法制度が整備された後に検討したい」と答弁しました。

20201030水岡俊一参院議員会長代表質問原稿.pdf

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https://cdp-japan.jp/news/20201030_0156

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