連合と立憲民主党、国民民主党は9日朝、国会近くで会談し、連合から神津里季生会長、相原康伸事務局長、立憲民主党から枝野幸男代表、福山哲郎幹事長、国民民主党から玉木雄一郎代表、榛葉賀津也幹事長が出席しました。

 会談後、神津会長、枝野代表、玉木代表が揃って記者の取材に応じました。冒頭、神津会長は会談の内容について「新型コロナウイルス感染症が再び感染が増大している。大阪、東京をはじめ容易ならざる事態にある。この状況に鑑みて、私から立憲民主党の枝野代表、国民民主党の玉木代表に、何としても雇用と生活の危機を乗り越えていかなければならないという話を申し上げ、危機感を共有させていただいた。本来、両党が掲げている政策が実現していれば、こんなことにはならなかったはずだと、医療の問題を含めて痛切に感じている。今日は特に雇用の問題に絞って3点申し上げた。いずれも国として、働く者の雇用に責任をもって、財源の投入も含めて対処していただきたい」と報告しました。

 雇用の課題3点については次のとおり説明しました。
 1点目は、コロナ解雇が10万人を超えたと既に報道されているが、実態はこんなものではないと思う。失業率、有効求人倍率の(悪化)も一定程度にとどまっているが、雇用調整助成金特例措置も含めて対応がされているから、見かけ上そのような範囲にとどまっているということだ。雇用保険の積立金は既に底をつき始めかけている。このままでは本当にどうにもならない。これは危機的対応ということでもあり、あるいは本則における姿との関係を含めて一般財源の投入が不可欠なのでそのことに歩を進めてもらう必要がある。
 2点目は、雇用保険の枠組みにカバーされない方々、フリーランス、あるいは個人事業主がいるが、実際には労働者性を持っている方々はコロナの状況の中で非常に厳しい状況にある。さまざまな打ち手は打たれてはいるものの、やはりモグラ叩き、パッチワークであり、そういった方々にもしっかりと国として手を打つ必要がある。
 3点目は、連合がかねて主張していることだが、雇用のセーフティネットのパッケージ。生活保障と教育訓練と再就職・就労支援、マッチングをパッケージにした仕組みを早急に確立する必要がある。連合がかねて主張してきていることであるが、コロナの状況にあってよりニーズが高まっているが、将来を見据えるならばAI導入で雇用の姿がどうしても大きく変わって行く。あるいはカーボンニュートラルの問題、グリーンイノベーションへのシフトで雇用の姿が大きく変って行く。そうした将来を見据えるという意味も含め、そして足下のコロナの危機を乗り越えるためには、今申し上げた雇用のセーフティネットのパッケージが緊急を要する課題。
 この3点目の問題についてはしっかりと両党の間でも、時には連合も加わりながら話を具体化していくということについて合意を得た。

 また補欠選挙・再選挙について、「この2つの党が力を合わせて当面する政治課題を前に進める、そしていずれ政権を担っていただきたいという思いを強く持っている。そういう意味では、昨日告示された参院の2つの補選と再選挙、近々告示される衆院の補選の勝利というものを土台にしながら、コロナの危機を乗り越えながら生活者本位、働く者本位の政治をぜひ進めていただきたい」と期待を込めました。

 連合からの雇用に関する要請について2つの党でどのように力を合わせるかを問われ、枝野代表は「3つのポイントいずれも、われわれは全く同感である。1つ目、2つ目は足元の話であり、国会内外で、両党がしっかりと連携することで、一刻も早く政府に財源の裏付けを含めてさらに十分な施策を実行させて行きたい。3つ目のパッケージについては、既に一定のものはあると思っているが、連合から智恵をお借りして両党でさらに良いものをつくろうということで一致した」と述べました。

 また同日、政府がまん延防止等重点措置を東京都等に適用することについて問われ「3都府県については、まず東京は明確に解除にあたって時期尚早であり、すぐにリバウンドしてしまう状況だから反対だと申し上げたのを振り切って解除したのは菅総理だ。その時に、次にリバウンドしたら総辞職では済まない、それくらい責任を持ってやってくださいねと申し上げたのにリバウンドした。その責任は大変重いと思っている。一方で、適用そのものは『まん延防止』という段階なのか。もはや『まん延』しているのではないかと、東京は大阪とかと状況は一緒だと思っている。また結局、(まん延防止等重点措置で)何をするのか分からない。緊急事態宣言でも、病床のひっ迫を抑えるためだけでも2カ月以上かかっている。それよりも弱い措置で、従来のやり方と同じやり方で全く改善されていない。これでは長期にわたって、今日の話題になった雇用、小規模事業者としては、もはや耐えられない状況ではないか」と述べました。

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