泉健太政務調査会長は13日、定例の記者会見を開き、緊急事態措置等の延長やワクチン接種等について発言しました。

■緊急事態措置等の延長

 5月11日までとしていた緊急事態宣言の期限が5月31日まで延長となったことを受け、「今後どういう考えで進めていくのか、道筋がまったく見えない。解除のタイミングも『効果が期待できないから』『国民が疲れているから』と、受動的に解除すると次のリバウンドが予想される。菅総理はオリンピック・パラリンピック開催国としての自覚に著しく欠けている。本来、他国に先んじてやるべきだったワクチン確保がなされず、開催間際に感染状況を悪化させている。結果として、国民に『五輪かワクチンか』『五輪か治療か』という不幸な選択をさせようとしている。こうした状況を作っていること自体、菅政権のコロナ対策が大きな誤りだったことに他ならない。われわれは国民の命と健康を守ることを最優先に、わが国で確保できる医療資源はコロナ治療とワクチン接種に振り向けていくべきだ」と述べました。
 また、緊急事態措置延長に伴う東京都の休業要請の基準については、イベント施設は制限が緩和される一方、集客施設は休館を要請されるなど、「まったく分からない」と述べ、政府のメッセージが曖昧であるため都道府県も混乱しているのではないかと指摘。こうしたことが広がると、政府だけではなく行政からのメッセージへの不信が高まり、国民が行政の言うことをきかなくなる可能性があると懸念を示しました。

■ワクチン接種

 菅総理が表明した新型コロナワクチンの「1日100万回接種」との目標については、医療従事者や会場の確保に加え、予約をめぐり混乱も生じるなど自治体では過大な負担が強いられていると問題視。東京と大阪を会場として高齢者を対象に行われる大規模接種は、外出自粛を強いるなかでリスクの高い高齢者に都市間移動を促すものだとして、「国民に混乱を与えるもの。何をやりたいのか分からない」と切り捨てました。

■大阪府の感染状況

 医療崩壊とも言える状況にある大阪府では、2度目の緊急事態宣言時に当初の予定より前倒しとなる解除を政府に要請、解除された3月1日に重症者用の病床確保数を3割減らす通知を出していたとされる報道に触れ、「(経済活動の再開を優先させようとする菅総理の)官邸の方を見るのではなく、変異株がいち早く顕在化していた兵庫県を見るべきだった。兵庫県との往来が多いことに鑑みた判断をすべきだった」と指摘。「一日も早く医療崩壊状態を脱するための努力を続けてほしい」と求めました。

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 泉政調会長はほかに、森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題で自死した近畿財務局職員赤木俊夫さんが改ざんの過程をまとめた文書などを含むいわゆる「赤木ファイル」については、今国会への提出を求めていく考えを表明。衆院法務委員会で審議されている出入国管理法などの改正案をめぐっては、3月に入管収容施設でスリランカ人女性が死亡した件の真相究明のため、野党が開示を求めている行政情報を政府が拒んでいるとして、「行政情報は誰のためのものなのか。国民のためのものだという原則に立った対応を」と求めました。

 今国会での成立をめざし与野党での修正協議が進んでいるLGBTの差別解消を求める法案をめぐっては、「(自民党から示された案に)『差別』という言葉が入ったことは一歩前進だが、実効性を伴うものでなければいけない」と強調しました。

 河井案里元参院議員の当選無効を受け議論となっている、当選無効になった国会議員の歳費返還を可能にする歳費法の改正めぐっては、党としての議論を進めるべく本日新たにワーキングチーム(座長:小西洋之参院議員)を設置する予定だと報告しました。

https://cdp-japan.jp/news/20210513_1352