枝野幸男代表は25日、東京都内でオンラインも使い開催された日本教職員組合(日教組)の第110回定期大会に招かれ、来賓あいさつをしました。立憲民主党から那谷屋正義参院議員が出席しました。

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 冒頭、日教組を代表してあいさつに立った清水秀行中央執行委員長は、教育の現状に関して「学ぶ意義や学ぶ楽しさを大切にした、子どもが主体となる『ゆたかな学び』が重要」であるにもかかわらず、学習指導要領の改訂により「点数学力に特化した学びに重点が置かれている」と指摘。これによって子どもには「窮屈な学びの時間」となり、教員には子ども一人ひとりに向き合うための「時間が奪われた学校教育になっている」と問題提起しました。

 日教組が最重要課題に位置付けている長時間労働の是正に関して、「勤務時間管理の徹底と上限方針の遵守、それが可能となる業務削減を求め、教職員が実感できるよう学校の働き方改革を実現し、給特法の廃止・抜本的見直し」を進めると表明しました。そのほか、小学校の35人学級の早期完全実施、中学校・高校も見据えた少人数学級の進展、学校現場の実態を踏まえた定年制度への改善に向け、取り組みを加速すると述べました。

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 長時間労働の是正に関して枝野代表は、「教職員の皆さんが子どもたちと接するのに時間的、精神的なゆとりがなければ、ワークライフバランスをはじめとして、人としての生き方にゆとりがなければ、子どもたち、あるいは社会が真に求める教育を実現することにはさまざまな困難がある」と指摘しました。

 「教育は国家百年の計と言われる」と強調した枝野代表は、「コロナ禍でさまざまな矛盾が噴き出している今こそ、子どもたち、教職員の皆さんが時間的、精神的なゆとりを持って教育の現場にいていただける状況を作っていきたい。改めて決意をしている」と表明しました。

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 那谷屋議員は、日教組が掲げている「教え子を再び戦場に送るな!」というスローガンは「戦争がある、ないにもかかわらず、この言葉の重みは大変重要だと最近改めて感じている」と言及しました。先に閉会したパラリンピックの際、無観客が大前提であったにもかかわらず、一部の子どもたちを会場に来させたという矛盾した事例を取り上げ、「政治の間違い、大人たちの間違いが、有無を言わさず子どもたちに直接影響を及ぼす」と強い懸念を示しました。

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